
W@nderFabric実店舗
Year
2023年
summary
国登録有形文化財旧仲町郵便局
日本のさまざまな文化が外国人にカッコイイものとして
受け入れられています。
私の幼馴染、ワンダーファブリック今井君の実店舗が満を持して
埼玉県本庄市中央1-8-2、中山道と銀座通りの交わるT字路、国登録有形文化財旧仲町郵便局に出現。
設計コンセプト
①伝統的な着物と伝統的な建築をかけ合わせる
日本には四季があり、日本建築も工夫して共存してきました。
最たるものが「軒」です。
・夏の日差しを遮り、冬には太陽光を室内に取り込む装置。
・雨から土台や柱、土壁を守る役割。
・社寺などでは組み物にて揺れを吸収する
・禅の精神による反りの美しさ
この機能美や日本人の精神にインスピレーションを受けて
メインの棚に採用しました。
題して「the rack ``noki``」(仮称)
②長さ6.2m、高さ3.2m、全8段で構成される「the rack ``noki``」は
エントランスに入ったときに平等に面が見えるように、
平等に帽子が見えるように
1段ごとに計算をして勾配を変えてあります。
③日本庭園の見方は屋内から襖を開けて庭をフレームインさせるのが
美しいとされています。
こちらはエントランスに入るとコの字に囲われる歴史的な
郵便カウンターの窓によって「the rack ``noki``」と
帽子が縁どられます。角度や位置によっても見方が変わります。
それは同時に遠近感の創出にも繋がります。
④コの字に囲まれるカウンターによって
御神体を安置する本殿の領域にも感じさせます。
行けそうで行けない範囲を作ることで神秘的な演出を行います。
⑤軒に使用されている垂木はものつくり大学の実習で使われた
廃材を使用しております。
これは捨てられてしまう運命の着物に手を加えることで
新たな価値を生むワンダーファブリック様の活動に
学生たちが反応しました。彼はリサイクル・リユースではなく、
「アップサイクル」と呼びます。
学生たちの失敗している墨(下書き)にも注目をしてください。
⑥連続する垂木の美しさはずっと見ていても飽きません。
大海原で波をボーっと見ているかのような感覚に陥ります。
おそらく脳から本能的に何らかの成分が分泌されるのだと
思います。ここまで計算をして設計したと言ったらウソに
なります。予感はしていたものの、
実際に作ってみて分かったことです。
自身初のアポなしでも会いに行けるスダケンチクです。
こちらのスタディーの中で「政治・経済だけではなく芸術も含めた三角関係が人類の豊かさにとって必要なバランスである」と体感しました。皆様にも感じていただけたら幸いです。
プロジェクトにかかわった下さった皆様に改めて感謝申し上げます。
木造2階建
























